第1回 センター試験初日で大ポカ

今日は、センター試験初日。いよいよ、大学受験に向けた受験シーズンが始まる。

創志(そうじ)が目指す大学を受験するには、最低でもセンター試験で700点が必要だ。初日は、創志の得意な数学が2科目ある。センター試験はマークシート方式だし、あわよくば数学はどちらも満点で200点を確保したいところだ。

午前中の英語は、まずまずと言ったところか。少し緊張したけれど、緊張もほぐれてきたし、午後の数学はビシッと決めて明日につなげたいところだ。

1つ目の数学の試験が始まった。出だしは、順調。ちゃんと解けている。

「いい感じで進んでいるぞ」

創志は、手ごたえを感じていた。

ところが、2つ目か、3つ目の図形の問題で、ハタっと手が止まってしまった。

数学の問題を解くときによくあるパターン。連立方程式を作って、それぞれの値を求めればいいだけ。
この問題で言えば、三角形の面積を2通りの式で表せば、簡単に答えが出る。なのに、その式が思いつかない。

ひとつは、高校で習ったsinθを使った公式であっさりできたのに、もう一つが思いつかない。

これが、解けないと続きの問題が解けない・・・

「ヘロンの公式?」 ※三角形の面積を辺の長さから計算する公式

「それじゃ、マークシートにあわないし、解けない・・・」

出来る問題は、すべて解けたけど、この問題だけが前に進まない。段々と焦りが出てきた。

「あれ、あれ」

「どうしよ、どうしよ」

と思っているうちに、時間は、どんどん過ぎていく。

そして、タイムオーバー。

マークシートなのに、大問の1つをほとんどマークできずに提出することになってしまった。

「やばい、これじゃ700点とれない・・・」

次の数学までの休憩時間に、友達や先輩と「できた?」と会話。(先輩は、一浪されていました)

「この問題の式が思いつかなくて、どうやって解くんですか?」

と尋ねると、

「これ、めっちゃ簡単やん。ここが底辺で、底辺×高さ÷2で式が作れるやろ。で、sinθの公式で~」

『底辺』と言う言葉を聞いた瞬間に、

「あ・・・」

と声がもれました。小学生でも知っている三角形の面積の公式を使えば簡単に解けたのに、まったく頭の中に出てこなかったのでした。

「やってしもた」

と嘆いても時すでに遅し。痛恨の一撃をくらってしまいました。

そして、マークシートをマークもせず白紙で出したことをとても後悔しました。後日、分かったことですが、勘で”2”にマークしていれば、3つほど正解があったのです。

初っ端から、受験の厳しさ?を味わうことになった創志。このままズルズルと行くのか、挽回できるのか。

続く